健康づくりのための睡眠指針12箇条②

睡眠衛生とは、睡眠に関連する問題を解消し、

睡眠の質や量を向上させることを目的とした入眠方法や

睡眠環境を整える方法のことです。

 

厚生労働省がとりまとめた

「健康づくりのための睡眠指針 2014 ~睡眠 12 箇条~」では、

よい睡眠は生活習慣病の予防などにつながること、

睡眠による休養感は、こころの健康に重要であることが言及されています。

 

そこで今回、「睡眠障害の対応と治療のガイドライン」に提示されている

「睡眠障害対処 12 の指針」の続きです。以下に紹介します。

 

. 昼寝をするなら、15 時前の 2030

昼寝は夜の睡眠の質を低下させるといわれてきましたが、

最近の研究によれば、昼食後から 15 時までの時間帯における 30 分未満の規則正しい昼寝は、

日中の眠気を解消し、眠気による作業能力低下を防止するのに役立ちます。

午後に一時的に眠くなるのは体内時計のリズムと関連した現象と考えられています。

30 分以上の昼寝は、身体と脳を眠る体制にしてしまい、

かえって覚醒後にぼんやりしてしっかりと覚醒するのが困難になります。

 

. 眠りが浅い時は、積極的に遅寝・早起きに

睡眠に対して意識過剰になると少しでも眠ろうと長く床の中で過ごすようになることが多くなります。

しかし、普段の入眠時刻の 24 時間前が最も寝つきにくい時間帯であることから、

早く床に入ってもなかなか寝付けず、よけい不眠を自覚し不安が増強されます。

さらに、起床時刻が遅くなって必要以上に長く床の中で過ごすと、

かえって睡眠は浅くなり、夜中に目覚めやすくなります。起床時の熟眠感も損なわれます。

このような場合、むしろ遅寝、早起きにして就床時間を減らします。

これにより必要なだけ床の上で過ごすようになるため熟眠感が増します(睡眠制限療法)。

患者は「8 時間眠らないといけない」など、睡眠時間そのものにこだわりを持っている場合が非常に多いため、

睡眠衛生の理解が前提条件になります。

 

. 睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は

要注意睡眠と関連して起こる身体の病気により、夜間の不眠、

それにより引き起こされる日中の眠気が起こることがあります。

こうした疾患の場合は睡眠障害の専門的治療が必要です。

睡眠時無呼吸は、激しいイビキと睡眠中の頻回の呼吸停止、

呼吸再開に伴う覚醒をくり返す疾患です。

このため深い睡眠を安定してとることができなくなるため、

夜間の不眠あるいはこれによる

日中の過剰な眠気が出現します。

中年以降に、特に男性に多くみられます。

レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は夜入床してから数時間にわたって、

じっとしていると足がむずむずしたり、ほてったりして、

その不快な感覚のために、なかなか寝付けないという状態を呈する疾患です。

周期性四肢運動障害は、夜入床してから数時間にわたって、

下肢が不随意運動により反り返るため、

その知覚による刺激で足がぴくんとして目が覚めるなどと訴えます。

 

10. 十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に

巨大な産業事故であるスリーマイル島の事故(1979 )やチャレンジャー号の爆発(1986 )など、

これらはすべて睡眠を切り詰め、非常に眠い状態での作業ミスにより起こったと推測されています。

睡眠不足で昼間の眠気が強いと、交通事故のリスクが一般人の倍近くとなります。

日本在住成人における調査では、日中の過剰な眠気は成人の 2.5%に認められ、

若年者ほど頻度が高いと言われています。

これらは、睡眠不足(睡眠の量的低下)、睡眠時無呼吸などの睡眠障害(睡眠の質的低下)によるものがほとんどです。

  しかし、なかにはナルコレプシーに代表される過眠症が隠れている場合があります。

 十分な睡眠をとるようにしても日中の眠気が改善しない場合は、

 睡眠障害の専門医の受診と眠気に関する精密検査が必要です。

 

11. 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと

睡眠薬代わりにアルコールを使用すると、寝つきはよくなりますが夜間後半の睡眠が浅くなり中途覚醒が増えるため、

全体として睡眠の質的悪化を招きます。

連用すると容易に慣れが生じ、同じ量では寝つけないため使用量が増加します。

睡眠薬代わりの寝酒では、通常の飲酒と比べて摂取量が急速に上昇しやすく、

アルコール過剰摂取による精神的・身体的問題が起こりやすいと言われています。

  ※お酒に関する記事はこちらも参考にしてくださいね

 

12. 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全  

睡眠薬について、一般に誤った認識が広がっています。

「睡眠薬を飲むとぼける」「癖になってだんだん量を増やさないと効かなくなる」

「寝酒の方が安全」といったものです。

昔使われていたバルビツール酸系睡眠薬は、

耐性・依存性・離脱症状が強く、大量服薬によって死に至ることもありました。

 

現在使われているベンゾジアゼピン受容体作動薬

(ベンゾジアゼピン系および非ベンゾジアゼピン系)などの睡眠薬は、

正しく使用すれば、こうした性質が弱く、

少なくとも睡眠薬代わりの寝酒よりも安全と考えられています。

 

実は私のPapaもなかなか眠れない人だったので、睡眠薬を処方されていました。 

でも、それは「一般名ゾルビデム 商品名マイスリー」でした。

これはとても弱い睡眠薬で癖に(習慣的に)ならないとのことで、

飲んでも次の日はスッキリ目覚めてとてもいいって言ってました。

我慢しないで、かかりつけの医師に相談することも大切ですね。

 

いずれにしろ、腸内環境の改善には「良質な睡眠が欠かせません。」

こちらの記事を一緒に読んでくださいね